ESLC, RELC

データ圧縮ライブラリ/データ暗号ライブラリ

機器に組み込み可能な圧縮ソフトウェア

圧縮・復元単機能のCライブラリです。(類似ソフトZLIB)
・プログラムサイズがコンパクトなため、省メモリ環境での動作が可能です。
・圧縮特許面、品質面で安心して製品に組み込んで使用できます。
・1ファイル単位の圧縮復元用途には、ArcmanagerよりもAPIが簡単で圧縮サイズの制限がないデータ圧縮ライブラリESLC, RELCをお勧めします。
・圧縮と暗号ライブラリEAESとの組み合わせも可能です。

こんな要望にお応えします

  1. 通信トラフィックや通信パケットの削減
  2. 記憶媒体の容量節約
  3. フラッシュメモリ利用機器でのコストダウンと起動時間の短縮

特長

  1. 1.圧縮特許面で安心

富士通研究所が開発した圧縮方式を採用していますので、圧縮アルゴリズムに関する特許問題や動作保証・品質・保守・サポート面などで、ビジネスに安心してご利用いただける製品です。

2.機器組み込み

組み込み用のライブラリとして、ESLCとRELCを用意しています。

3.暗号

暗号ライブラリと組み合わせて提供可能です。
USBメモリ製品へのバンドル用圧縮暗号ソフトのご相談もお受けします。

製品概要

  1. 圧縮対象データのサイズ制限がない
  2. メモリインターフェースによる圧縮復元(APIが簡単)
  3. 各種CPU(マイコン)/ 各種OS対応
データ圧縮ソフトウェア総合カタログ
データ圧縮ソフトウェア総合カタログ

ご利用分野

  • 情報家電、業務用機器、事務機器、産業機器、車載機器、携帯情報機器、パソコン周辺機器、携帯電話、通信システムなどマイコンを使用する機器全般

採用事例

データ圧縮製品 ESLC は、株式会社トランストロン様のネットワーク型デジタコに2010年からご採用頂いております。

※デジタコ (デジタルタコグラフ) とは

自動車の走行時間や走行速度や距離などの運行記録を自動的に記録し、メモリーカードやオンラインでデータセンター等に保存するシステムのことです。 
データを解析することで、ドライバーが速度や休憩時間などを遵守しているかを事務所から容易に確認でき、事故防止等の安全管理に用いることができます。

製品一覧

ESLCシリーズ

詳細は 型格一覧表 [PDF]をご参照ください。

製品名 製品型格 動作環境 備考 

ESLC for Windows  

MSS5301

Windows

圧縮速度重視

ESLC for Solaris™ 

MSS5303

Solaris ™  Operating System

ESLC 各種マイコン対応

別途相談

各種マイコン

RELCシリーズ

製品名 製品型格 動作環境 備考 

RELC Library for Windows

MSS5601

Windows

 復元速度重視

RELC 各種マイコン対応 

別途相談

各種マイコン

RELC Security Package

MSS5050-C03

(圧縮/暗号化)Windows
(復元/復号化)MIPS

  1. 評価用にお貸し出しも可能です。事前に仕様および動作環境のご確認をお願いします。
  2. 暗号ライブラリの提供も可能です。詳細はメールでお問い合わせをお願いします。

性能データ

ページ 1
ESLC圧縮率の測定結果
ESLC圧縮率の測定結果 1
ESLC圧縮率の測定結果
ページ 1
RELC圧縮率の測定結果
RELC圧縮率の測定結果 1
RELC圧縮率の測定結果

注意事項

  • ファイルのタイプにより、圧縮できない場合がありますのでご注意ください。

  • ・得意なファイル

 バイト単位のデータが扱われる文書やプログラムのファイルに適しています。

・不得意なファイル
 圧縮されているファイル(JPEG,MPEG,etc)、バイト単位ではないファイル(音声,画像)、
 暗号化されているファイルには適しません。

仕様

 

仕様/品名 ESLC(イーエスエルシー) RELC(レルク)

動作環境(OS)

μITRON,μT-kemel,Linux,
Windows,Solaris,VxWorks など

マルチスレッド対応

 64ビット対応

ROMサイズ
KByte

 

圧縮

約2.0

約2.5

復元

約1.6

約0.6

RAMサイズ
KByte

 

圧縮 

約18~279

約129

復元

約17~148

約0.05

性能
(目安)

圧縮率

約40%

約39%

速度※
単位:cycle/byte
(1MBの処理時間)

圧縮:247(1.54sec)
復元:235(1.47sec)

 

圧縮:408(2.55sec)
復元:13(0.08sec)

                                                         (〇:対応、×:非対応)

※Cortex-M4(160MHz)の場合で、命令実行サイクルのみ。(RVDSのISSMでの計測)

改版情報

詳細は  型格一覧表[PDF]をご参照ください。

製品名

製品型格

改版履歴

ESLC for Windows

MSS5301

V01L12リリース(2022/06/14)[最新版]
V01L11リリース(2021/04/01)
V01L10リリース(2017/10/27)
V01L09リリース(2015/11/06)
V01L08リリース(2010/05/06)
V01L07リリース(2007/12/03)

ESLC for Solaris

MSS5303

V01L06リリース(2014/02/04)[最新版]
V01L05リリース(2007/12/04)
V01L03リリース(2007/06/28)

 

製品名

製品型格

改版履歴

RELC Library for Windows

MSS5601

V01L09リリース(2022/05/24)[最新版]
V01L08リリース(2021/03/03)
V01L07リリース(2017/09/29)
V01L06リリース(2015/12/18)
V01L05リリース(2013/11/15)
V01L04リリース(2010/12/10)

圧縮アルゴリズム

可逆と非可逆

一般にデータ圧縮というと、画像や音声などに使用される完全に元に戻さなくてもよい非可逆符号化(Lossy)と、100%復元する可逆符号化(Lossless)があり、非可逆符号化にはJPEG, MPEG などがあります。 
ここでは、後者の可逆符号化(情報保存型ともいう)について述べます。

可逆符号化は、辞書型と統計型に大別されます。

辞書型

可逆符号化で最も多く利用されている辞書型(dictionary coding)の起源は、 Abraham Lempel 氏と Jacob Ziv 氏が発表した、1977年 IEEE 情報理論誌の論文 "A Universal Algorithm for Sequential Dat Compression" であると言われています。これは通称、Lempel-Ziv 符号化のスライド辞書法、または LZ77 などと呼ばれています。 この LZ77 は、以前に符号化した入力データ列を辞書として利用し、入力データ列の中の連続した部分との最長一致を検索し、その一致情報を符号化するというものです。 これが、ある範囲でのデータ列の同じ部分を探し圧縮を行う方法として発展しました。

特許問題

圧縮アルゴリズムに関する特許は、米国の会社がそのほとんどを保有しています。辞書型 LZ77 の実装法の有力特許は、米国の Stac 社が保有しており、日本でも特許が成立しています。(1997年10月31日登録 特許番号 第2713369号) 
 現在、一般に広く普及しているアーカイバソフトの LHA や ZIP 系(WinZIP 等)などもこの LZ77 をベースにしています。

統計型

一方、辞書型とは異なる手法に統計型(statistical coding)があります。データの出現確率を予測し符号化するものです。 
その原理は、ある文字が出現すると、その文字がどんな文字列の直後(文脈)で、どんな頻度で出現したかの確率を覚えておき、次に同じ文脈でその文字が出現したときに確率を可変長の符号で表わし、出易い事象程、短い符号で表わすようにします。 
 辞書型でいう同じ繰り返しの文字列というのは、統計型では最初に出現したときに文脈関係を覚えた文字が次々に起こったものとして表わせます。 
 統計型の方法では、繰り返しの短い文字列から長い文字列まで文脈を覚えることで、精密に符号化することができます。

富士通の圧縮方式

株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所と表記)では、他社特許を回避するために統計型と辞書型を併用した SLC(Super Lossless data Compression)方式を開発しました。さらに復元速度の高速化を目指した辞書型の ELC(Embedded Lossless data Compression)方式を開発しました。これらの富士通特許の最新状況は特許庁のサイトで確認できます。

富士通研究所の圧縮アルゴリズム SLC/ELC 方式の詳細は、プログラミング技術情報誌 「C MAGAZINE」 の2004年10月号(9月18日発売) 「圧縮ソフト SLC/ELC のアルゴリズム(106-110ページ)」 に掲載されています。この 「C MAGAZINE」 には、当社が執筆した 「ビジネス向けデータ圧縮の実装例」 も掲載されました(111ページ)。

【 C MAGAZINE  2004年10月号 特別記事  「圧縮ソフト SLC/ELC のアルゴリズム」[PDF]  】

アーカイバ

当社では、圧縮特許面で安心な富士通研究所開発の圧縮方式を採用し、LHA や WinZIP に相当するパソコン用のアーカイバ製品 「Arcmanager」 を開発、販売しています。データ圧縮ライブラリ製品としては、1995年3月より(当時はMS-DOS版)製品化しておりますので、実績や品質面でも安心してビジネスにご利用いただけます。

機器への組込み

マイコン使用機器のフラッシュメモリ節約用途の需要に応えるためには、省メモリ環境で動作することが絶対条件になります。
当社ではこの要求に応えるため、組み込み用途に適したデータ圧縮ライブラリ ESLC(Embedded Super Lossless Compression)を開発し、2001年4月より販売を開始しました。メモリ容量を多く必要とする圧縮のための辞書サイズを選択可能とすることにより、省メモリ環境での動作を実現しています。

高速復元と高速起動

一般にデジタル家電製品などでは、使用しているフラッシュメモリの読み出し時間がかかることから起動時間の遅さが問題になっています。この対策として、データを圧縮し読み出すデータ量を削減することにより、高速起動を実現する方法があります。
当社では、復元時間を高速化したデータ圧縮ライブラリ RELC(Rapid Embedded Lossless data Compression)を開発し、2004年8月より販売を開始しました。本製品は、辞書型の最長一致検索などに工夫を行い、圧縮特許面でビジネスでの利用を可能にしています。

圧縮率・圧縮速度重視の ESLCと、復元速度重視の RELCで、組み込み向けの製品ラインナップを強化しました。いずれも富士通研究所が開発した圧縮方式を採用していますので、安心して製品に組み込むことが可能です。
処理速度は、フリーソフト ZLIB と比較して、ESLC は圧縮速度が約2倍、RELC は復元速度が約2倍 高速です。(CPU、メモリ、バス幅など実機環境により性能は異なります。)

暗号と情報漏洩対策

当社では、情報漏洩対策の需要が高まってきたことから、従来のデータ圧縮ライブラリ製品と組み合わせて使用できるオプション製品として、暗号ソフトウェアを開発しました。

  1. システムやアプリケーションプログラムに組み込み可能
  2. 暗号方式:米国政府標準 AES(Advanced Encryption Standard)方式を採用
  3. 鍵長 および ブロック長:128ビット
  4. Arcmanager の一部の製品に暗号機能を追加 (2005年11月)
  5. パスワード付スクランブル(ある演算処理を行う)圧縮の個別対応可能

FAQ よくあるご質問

未対応の仕様追加やカスタマイズなどのご相談もお受けします。

プログラムのサイズは
CPUがARMの場合は、約3KBytesです。
マルチスレッドに対応していますか

対応しています。

64ビット環境で動作しますか

64 ビット環境に対応しています。

Java呼び出しはできますか

JNIを利用することで使用できます。サンプルの提供も可能です。

.NETで使用できますか

.NET Frameworkのプラットフォーム呼び出しの機能を利用して使用することができます。サンプルの提供も可能です。

お問合せ

  1. 注意事項・補足資料
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製品ご購入時の注意事項について
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標準品ソフトウェア製品の保守サポートについて
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保守サポート契約条項
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