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              若手メンバーを中心とした少人数チームで取り組んだのが、2024年7月に竣工した「長崎スタジアムシティ」のプロジェクト。これは、スタジアムだけでなくアリーナやオフィス、商業施設、さらにはホテルまでを備え、1つの街をつくると言っても過言ではない大規模計画だった。加賀FEIは、そこに生体認証システムの導入を推進した。
              
              まずは地元プロバスケットボールチームのゲームパートナーとなり、システムのトライアルを実施。30名限定で生体認証を実施したところ、無事にチケットレスエントリーを実現できことを皮切りに、およそ2万人の収容が可能なスタジアムでのシステム導入を見事に実現した。それだけにとどまらず、スタジアムのネットワーク化による映像配信サービスや、デジタルコンテンツサービスなどを提供。
              
              こうして、スタジアム・主催者と観客・視聴者とをつなぐコミュニケーションシステムを実現したのだ。加賀FEIは「スポーツ・スタジアムビジネスのICTパートナー」を目指し、さらなる挑戦を続けている。
            
 
          
              世界保健機関(WHO)によれば、聴覚障がいに苦しむ人は世界中で増加傾向にあり、2050年には9億人にも達すると言われています。そして、そのうちの多くが幼い子ども。こうした世界的課題を背景に、とある大手通信機器メーカーの若手開発者がデザインしたのが『Ontenna』でした。
              
              これは、音を振動と光に変換し、身につけたデバイスを通じて体に伝える新しいUI。プロトタイプデザインや商品コンセプトは完成していたものの、実際の開発と販売を担う事業者を公募しており、加賀FEIはそこに名乗りをあげました。「耳の不自由な人たちに、音と触れ合う喜びを感じてほしい」という開発者の想いに共感したからです。設計開発から販売までをワンストップで手掛けられる体制や、商品思想への深い理解が評価され、加賀FEIはパートナーに選ばれました。その後は加賀FEIオリジナルプロダクトとして拡販することに。
              
              しかし、開発は困難を極めました。発売開始までの期間は8ヶ月間。デザインとサイズが確定しているため、そこに合わせたスペックの実現は簡単ではありません。通信方式を変更して処理速度を改善するなど、地道なブラッシュアップを積み重ねました。それと並行して、ろう学校での試作品リサーチなど、フィールドワークにも取り組みました。何度も改善を重ね、量産期限ギリギリにようやく完成。
              
              現在は自治体や教育機関のほか、プロスポーツ団体などにもプロモーションを行い、認知度が高まりつつあります。機能面の更新にも取り組んでおり、今もプロダクトを成長させ続けています。
            
 
          
              「創社」として新たな価値創造を目指す加賀FEIでは、パートナーとともに新規ビジネスを生み出す共創活動に取り組んでいます。その一環として大手通信事業会社との共創を推進するなかで、同社が自治体と連携して自動運転バスに関する実証実験に取り組む情報をキャッチしました。
              
              この実証実験は国が描いた計画に基づいており、2030年をゴールとして全国で自動運転バスの実装を目指すプロジェクトの1つです。その背景には、バス業界の人手不足により減便や路線廃止が相次いでいるという深刻な社会課題がありました。そのため自動運転バスの導入が望まれましたが、そこには大きなハードルが。都市部や観光地などの人が多く集まる混雑エリアでは、自動運転に必要な通信が不安定になってしまう技術的課題があったのです。
              
              そこで加賀FEIは、混雑エリアでも安定的に通信できる機器の仕様を検討。道路上の情報をキャッチし、クラウドを経由してバスに情報を伝達する仕組みのなかで、道路に設置するカーブミラー・道路灯・信号機の3つのインフラ機器について、それぞれスマート化した製品を提供できるメーカーを紹介しました。製品の制御部分は加賀FEIが提供。電子部品の調達とソフトウェアの開発を加賀FEIのエンジニアが手掛けました。
              
              この実証実験は2025年現在も進行中です。成功すればビジネスチャンスを手にできるだけでなく、交通インフラにまつわる社会課題の解決に向けて、大きな一歩を踏み出すことにつながります。